肌の構造

下に肌の構造の模式図を示します。

ちょっと稚拙な絵ですいません。左記のように上から角質、表皮、真皮、脂肪、筋肉の順に層をなしています。これ以外にも毛(毛根)、皮脂腺、汗腺などが存在します。

それぞれは役割があります。皮膚の構造は角質・表皮・真皮ですので、これらを以下に解説します。

角質
非常に薄いのですが、人間が外界から生命を守るために重要な保護膜(バリア)です。アトピーの人はこの構造が不十分で、すぐに破壊されてしまうので、アレルギーなどのみならず外からの刺激に異常に反応してしまいます。角質を維持するには水分が重要で、角質の中に細胞間脂質(セラミドなど)という水分を閉じこめる脂があります。また天然保湿因子という保湿剤のようなものも存在しますし、表面には皮脂腺から出る皮脂が膜を張って保護をしています。洗顔ではこれらは奪われがちです。しかし洗顔しないと肌の汚れは取れません。よって洗顔後は角質を保護する成分を補給してあげないといけません。何を補給するかは御本人の肌の状態によります。乾燥肌の人は皮脂分泌量が少ないため皮脂類似成分を補給しますし、これでけでなく、角質そのものが亀裂して、角質内の成分が逃げ出していれば水分のみでなく細胞間脂質や天然保湿因子などを補給する必要があります。皮脂が多い人(普通の人も)は、洗顔後すぐに皮脂膜が回復しますから過剰に補給するとニキビが生じやすくなったりします。
また、角質が外界からのバリアになっているということは、逆に言うと、化粧品など皮膚につける成分は肌の中に浸透しにくいということになります。化粧品会社はいかにこれらを浸透させるか日夜研究しています。すごい成分でも浸透しなければ効果無しです。実は角質には小さな孔が開いていて、小さいものなら皮膚の中に浸透します。コラーゲンなどは分子が大きいので通常では浸透しません。皮膚表面での保湿剤というわけです。シワが直接取れるのではなく、保湿により改善するとお考え下さい。

表皮
表皮は常に分裂しています(約1ヶ月周期)。特に最下層にある基底細胞というのがコントロールセンターです。ここに異常をきたすと様々な問題が起こりえます。この細胞が破壊されるとすぐに修復機転が働きます。これにより角質を含めた皮膚の恒常性が維持されるのです。角質も表皮の細胞が分裂をした行く末であり、医学的には表皮の一部です。基底細胞の下には基底膜というものがあり、これは皮膚破壊のセンサーではないかと思われています(ケロイドなどはここの部分に、傷を修復する際に発生する物質が異常発生をしていたりします)。また、主にメラニンなどシミの原因となる色素は基底細胞が出すよう命令をしています(実際はサイトカインネットワークといって様々な細胞間で情報交換をしてコントロールしていますが)。メラノサイトという細胞がメラニンを放出し、多量にメラニンが沈着すればシミとして見られます。慢性的になると表皮の構造自体も変化を起こしてしまいます。特に下方に伸びるでこぼこ(乳頭と言います)は皮膚の構造上重要と言われており、傷跡などではこれが平坦化しています。

真皮
真皮は膠原線維(主にコラーゲン:皮膚の柱です)と弾力線維(主にエラスチン:皮膚のゴムです)が主となっており、その間を色々な非細胞性の物質が埋めています。少量の線維芽細胞というものがこれらの物質の製造をコントロールしていて、怪我をすると線維芽細胞が刺激されて、これら物質を放出、傷をくっつける接着剤のように修復していきます。老化・紫外線でもこれら物質は変性していきますので、肌の張りがなくなったり、たるみにもつながります。エラスチンがないと皮膚を体表面にピタッとくっつけることができなくなります。重力のままになるということですね。コラーゲンがないと皮膚の支えがありません。柱のない家のようなものです。また傷がくっつかず、すぐ裂けてしまいます。
ケロイドの場合は線維芽細胞が増殖もしていますし、以前大学にいた頃の研究では、細胞の活性も高まっています。この細胞を抑えることができればケロイドの治療にはなりますし、また逆に高めることができればシワなどの老化を予防できます。

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