化粧品・エステと美容外科

化粧品とエステ・美容外科はどれも皆さんの美への要求を満たすためのものです。もちろん化粧品にはスキンケアという側面もありますし、美容外科でも病気として扱うものもあるのですが、基本は美に対するものです。

さて、ある化粧品セールスレディは「美容外科なんて行っても騙されるだけで、きれいにならないか、高くて大変。手術すると腫れる。その点、当社の化粧品は塗るだけでシミもしわもきれいになります。」と言うこともあるでしょう。また美容外科医は「化粧品なんて効かない。レーザーですよ。きれいになりますよ。エステはリラックスするためです。効果なんてないのにお金を捨てるようなものです。」と言うこともあるでしょう。同業他種という事からこのような事態が起こりえます。実際はどうでしょうか。もちろん医学的な治療が必要なほくろやアザなどは美容外科でないと駄目でしょう。またしみ取りのエステなどもあり、タンパク分解という手法を用いて除去しているようですが、皮膚を傷つけるという点では医療法に抵触することもあります。このあたりは別として、私自身は各業種で上手く棲み分けできると思っています。

化粧品は本来日々のスキンケアです。素晴らしい保湿成分なども開発されており、正直言って医師の販売するものは名ばかりのドクターズコスメばかりです(医師は化粧品製造メーカーにこんなもの作ってと発注するだけ。そんな会社の案内は沢山私の所にも来ます。本当のドクター開発コスメなんて僅かしかありません。作った医師に成分の詳しい内容・効能を聞いても答えられません)。医師が化粧品開発者より優れているのは腕ではなく、医師法・薬事法という法律に守られて、制限されている成分を配合できることでしょう。だから医師が化粧品として同列に販売したものはメーカーのものとさほど変わりはしません。あくまで薬として処方するもののみが優れていると言えるでしょう。
もちろん、化粧品会社は売れ筋のものとしてシミやしわを消すことを研究していますが、短期の結果ではレーザーにはかないませんし、もちろん薬事法という法律の縛りもあり、アレルギーやかぶれの問題もあり、我々美容外科医のような強い薬品を使うこともできません。しかし、成分に対する研究・開発は美容外科医一人がどう頑張ったところで、勝てるわけはありません。良い成分を沢山見つけています。もっと医療に近づいて頂き、医師しか処方できないような成分・高濃度のものでも薬品として販売してくれればもっと良い治療ができると思っています。

一方エステですが、しっかりとした技術を持つエステティシャンに施術を受ければ、ケアとしては最高です。エステは治療するところではないのです。定期的なケアによって若さを保ち、ボディバランスを維持するところです(改善はするでしょう)。それに対して医療は治療です。改善したいところを積極的に治療していくものです。内科などでの健康維持と治療の関係と同じです。エステがシミを取ったり、色々な医療行為に抵触するようなことをすることは認められませんが、しかしこれもビジネスです。医療側だってエステの方が良いようなものまで手を出しています。

それぞれに良い部分があります。理想はエステ・化粧品・医療のみならず健康食品やスポーツジムなど全てを総合した施設だと思います。若さのサポートセンターです。予防・維持から治療まで。内科などの医療を取り入れた健康増進センターと同じ考えです。しかし個人ではもちろんできませんし、私は医療に専念したいので、現実には難しいことですが、そのような施設があったら良いなあと考えています。

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